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豊胸ブログ › バスト整形 データラボ
韓国豊胸手術

アクアフィリング豊胸の安全性 — 無症状でも炎症進行

アクアフィリング(Aquafilling)注入は無症状でも組織学的炎症が進行(CD20/CD68発現)。Chalcarz APS 2021・4名免疫組織化学とFDA未承認の事実を韓国の形成外科専門医・金誼健院長が整理しました。

2026.04.20 閲覧 199

この記事の要点

  • アクアフィリング(Aquafilling)注入は無症状でも組織学的炎症が進行(CD20/CD68発現)
  • Chalcarz APS 2021
  • 4名免疫組織化学とFDA未承認の事実を韓国の形成外科専門医

韓国で豊胸を検討している日本人の方へ。本記事はUNE美容外科の韓国豊胸手術に関するコラムです。日本からのご相談はLINEまたは日本語予約フォームをご利用ください。個人差により効果や経過は異なります。

韓国豊胸 データラボ · 論文解説

ウンヌ整形外科 金誼健(キム・ウィゴン)院長 · 形成外科専門医 · 2026年4月20日

参考論文:Chalcarz M, Żurawski J. "Injection of Aquafilling for Breast Augmentation Causes Inflammatory Responses Independent of Visible Symptoms." Aesth Plast Surg. 45(2):481-490, 2021.

アクアフィリング(Aquafilling)は、無切開豊胸フィラーとして知られるハイドロフィリックジェル製剤です。2005年にチェコで開発され、顔・臀部のフィラーとして使用された後、豊胸用途に拡張されてヨーロッパ・韓国・マレーシア・セルビア・トルコなどで施術されてきましたが、米国FDAは乳房注入フィラーとして承認したことはありません。

「注入後に特に症状がないのですが、それでも除去すべきですか?」というご質問に対する答えをデータで提示した論文が、2021年Aesthetic Plastic Surgery誌に掲載されました。ポーランドChalcarz外科クリニック・Poznań医科大学のチームがアクアフィリング注入後に除去手術を受けられた女性4名の組織を免疫組織化学的手法で分析した症例シリーズです。

結果を先に申し上げますと、症状が全くなかった患者様にも炎症所見が明確に認められ、4名全員でフィラーが大胸筋内部まで浸潤していることが確認されました。血液検査は正常であったため、目に見えない炎症が内部で進行していたことを意味します。

アクアフィリング(Aquafilling)注入 — 無症状でも安心してよいか

結論から申し上げますと、1点目、アクアフィリングは無症状であっても炎症が進行する可能性があります。本論文(Aesth Plast Surg、2021)の核となる結果について、以下で詳しく整理してご案内いたします。

アクアフィリングとは何ですか?

アクアフィリング(Aquafilling)は、チェコのBIOTRH社が2005年に発売した軟部組織用フィラーです。成分は98%生理食塩水+2%ポリアクリルアミド(韓国食薬処の分析基準。メーカーはポリアミドと表記)で構成されたハイドロフィリックジェルとなります。

  • 当初の用途:顔・臀部の軟部組織フィラー
  • その後の拡張:乳房拡大(off-label)
  • 使用国:EU・マレーシア・韓国・セルビア・トルコ
  • 米国FDA未承認 — 乳房フィラーとして承認されたことはなし
  • 報告された副作用:乳房痛・変形・乳腺炎症・膿瘍・瘻孔・授乳困難・フィラー移動(頸部・胸壁・腹腔・腋窩・骨盤・陰唇)

どのように研究されたのですか?

アクアフィリング注入後の合併症で除去手術を受けられた女性4名の組織を分析しました。

  • 対象:アクアフィリング除去手術を受けられた女性4名
  • 分析方法:組織病理(H&E染色)+免疫組織化学染色
  • 染色マーカー:CD3(Tリンパ球)・CD20(Bリンパ球)・CD68(マクロファージ)
  • 画像撮影:オリンパスBX 43顕微鏡×100倍、標本ごとに1,000〜1,200細胞を計数
  • 統計:一元配置分散分析(ANOVA)またはKruskal-Wallis検定後の事後検定
  • エビデンスレベル:Level IV(症例シリーズ)

4名の患者様の経過

各患者様の注入量・発生症状・除去時期はすべて異なっていました。

患者1 — 無症状(片側100ml)

両側それぞれ100ml注入。注目すべき点:いかなる症状も訴えられませんでした。ただし3年が経過しても超音波でフィラーが依然として確認され、同じ施術を受けた知人が深刻な合併症を経験されているのを見て来院されたケースです。注入36ヶ月後に除去。

患者2 — フィラー移動(片側200ml)

両側それぞれ200ml注入。1ヶ月後に右側フィラーの一部が乳房下溝(IMF)下方へ移動して血管様の形態を形成。約27ヶ月後に左側でも同様の変化。超音波+MRI確認後、28ヶ月後に除去。

患者3 — 痛み・変形(左230ml/右260ml)

左側230ml、右側260ml注入(初回230mlに2週後30ml追加)。初回注入3ヶ月後から運動・腕の挙上・運転・側臥位での右側乳房痛。さらに2ヶ月経過後に両側乳房変形を確認。超音波後、12ヶ月後に除去。

患者4 — 月経前痛・上極変形(片側105ml)

両側それぞれ105ml注入(初回75mlに9ヶ月後30ml追加)。20ヶ月後から毎月の月経前3日間、両側乳房痛。2.5年後に右側上極変形を確認。超音波後、37ヶ月後に除去。

4名全員、術前の血液検査(白血球・赤血球・単核球・ヘモグロビン・CRP・クレアチニン・凝固指標)はすべて正常範囲内でした。

核となる結果 — 無症状でも炎症

除去手術中の共通所見と組織分析結果は以下の通りです。

  • 4名全員で大胸筋内部にフィラー浸潤を確認 — 著者らは完全除去が不可能であることを術前に説明したと記述
  • 線維化(fibrosis)+部分的硝子化(hyalinization)+脂肪組織の混在
  • 血管壁の肥厚、内皮層の分離が観察
  • 単核球浸潤とともにCD3・CD20・CD68細胞組織発現 — 炎症進行中

統計分析結果は、炎症程度が患者様ごとに異なっていたことを示しています。

  • Bリンパ球(CD20)数:患者様間で有意な差(p=0.0015)、患者1・2の比較でp=0.0005
  • マクロファージ(CD68)数:患者様間で有意な差(p=0.0002)、患者2・3の比較でp=0.0001
  • Tリンパ球(CD3)反応面積:患者様間で有意な差(p=0.0003)
  • Bリンパ球(CD20)反応面積:患者様間で有意な差(p=0.0001)

最も決定的な解釈ポイントは患者1です。主観的症状は全くなかったものの、組織学的にはBリンパ球とマクロファージの発現が明確でした。つまり、「症状がない=問題がない」ではないということです。

よくある質問

Q. アクアフィリングを注入しましたが何も症状がありません。それでも検査を受けるべきですか?

A. 本論文の最も重要なメッセージが、まさにこのご質問への答えです。症状がなくても画像検査(超音波・MRI)はお受けいただくことを推奨いたします。論文の患者1は3年間無症状でしたが、組織ではBリンパ球とマクロファージの発現が確認され、フィラーが大胸筋まで浸潤した状態でした。血液検査(CRP含む)も正常であったため、一般的な検診では見逃されやすくなります。

Q. アクアフィリングは完全に除去可能ですか?

A. 論文の4名の患者様全員で大胸筋内部までフィラーが浸潤しており、著者らは術前に完全除去が困難であることを説明したと明記しています。筋肉組織内に広がったフィラーは正常筋肉と混在しているため、外科的に完全除去するには筋肉損傷が大きくなります。可能な限り多く除去し、残存フィラーはMRIで6ヶ月後に再評価するプロトコルが一般的です。

Q. では、アクアフィリングの代わりに何で豊胸手術を受けるべきですか?

A. 現在、国際的な医学界において安全性と長期データが検証された選択肢はシリコンインプラント・生理食塩水インプラント、または自家脂肪注入です。いずれも個別の合併症プロファイルはありますが、アクアフィリングと異なりFDA・CE・KFDA(韓国食薬処)の承認経路を経ており、除去・再手術の技術が標準化されています。注入フィラー型の豊胸は、国際的に推奨されない方式です。

Q. 本研究の限界は何ですか?

A. 3点あります。1つ目、4名の症例シリーズ(Level IV)のため、統計的一般化には制限があります。2つ目、注入後の経過時間(12〜37ヶ月)が患者様ごとに異なるため、時間経過に伴う炎症強度の変化を個別に分析することはできませんでした。3つ目、無症状の患者様が1名のみであるため、「無症状グループの炎症分布」を一般化するには、より大規模なコホートが必要となります。

この論文を読んで整理した3つのポイント

1点目、アクアフィリングは無症状であっても炎症が進行する可能性があります。

論文の患者1は主観的症状が全くなかった一方で、組織学的にはBリンパ球・マクロファージの発現が明確でした。血液検査も正常であるため「大丈夫」と判断しやすくなりますが、フィラー周囲の組織では慢性炎症反応が静かに進行します。過去にアクアフィリングを注入された経歴がある場合、症状の有無に関わらず一度画像検査をお受けいただくことが安全です。

2点目、4名全員で大胸筋までフィラーが浸潤していました。

完全除去が困難な理由であり、除去手術を受けた後も残存フィラーに対する長期的な経過観察が必要となります。何よりも、注入前に「除去は簡単である」と説明を受けられた場合、その説明は事実と異なります。筋肉内まで広がったフィラーは手術難度が高く、結果を完全に元へ戻すことは困難です。

3点目、本研究の限界 — 4名の症例という点です。

統計的一般化には制限がありますが、同じメッセージを伝える他機関(韓国・トルコ・ポーランドなど)の報告が累積されている点で、「例外的な症例」として片付けることは困難です。また、FDAがアクアフィリングを乳房フィラーとして承認していない背景には、このような炎症・移動・除去困難などの安全性懸念が存在しています。

過去にアクアフィリングを注入された患者様は、症状がなくても一度は画像検査で状態をご確認ください。早期発見であれば除去範囲を縮小でき、残存フィラーに対する長期管理プランも構築できます。


参考文献:Chalcarz M, Żurawski J. Injection of Aquafilling for Breast Augmentation Causes Inflammatory Responses Independent of Visible Symptoms. Aesth Plast Surg. 45(2):481-490, 2021. DOI: 10.1007/s00266-020-01949-y

本記事は上記論文を医学的専門知識に基づき、一般の方にもわかりやすく解説した内容です。個人によって効果と副作用が異なる場合があり、本記事は診断や治療に代わるものではありません。

著者・医学的監修

金誼健 代表院長

形成外科専門医・UNE美容外科

本コンテンツは金誼健院長が執筆および医学的に監修した医療情報です。個人の状態によって診断と手術計画は異なる場合がありますので、正確な判断は形成外科専門医の診察を通じてご確認ください。

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